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March 11, 2009

常連のわがまま、一見の客のクレーム

飲食店なんかだと、常連と初めてやたまにしか来ない客で、差別というかサービスに差があることは、ままある。閉店時間を過ぎて注文しても許されるのは、やはり常連の特権なのだろう。また、同じものを注文しても、良いものが出てきたり量が違ったり、そもそも値段が安くなったりするのも常連ならではだ。ただ、逆に常連となったからには、店が忙しいときは、そもそも店に入るのを遠慮したり、それが飲み屋ならちょっと注文を遠慮したりしなければならないと思う。
常連でなければ、楽しめずうまいものを食えないというのは論外だけれど、贔屓にしていると(常連になると)、店からヒイキしてもらえるというのは悪い気はしない。


先日、温泉に行った。那須湯本の「鹿の湯」だ。徹夜明けで行ったので、少々のぼせてしまった。この鹿の湯、湯治場の雰囲気を残した温泉で、洗い場というか水道の蛇口すらない。石鹸やシャンプーなどは、はなっから用意されていないし、持ちこんでも使えない(と思う)。小さな4人ほどはいれる湯船が、41度、42度、43度、44度、46度、48度と温度違いで6つ用意されている。

で、48度など常連(近所の人か?)が占拠していて、お湯の量を調整して勝手に温度を上げるなどしている。よりきついものにチャレンジしようとするのは、ジジィになっても男は変わらない。さて、46度を超えるような温度だと、さすがにお湯が揺れるだけでも辛い。そこで、入るもの出るのも一緒という暗黙のルールがあるようだ。つまり誰かが入っている湯船に後から入ってはいけないし、先に出てもいけない。なるほど、理に適っている。さすが常連である。こんなルールが生まれたのも自然の流れだろう。奴らは砂時計持参で来るくらいだ。

私などは、44度のお風呂でのぼせてしまったくらいで、とても48度など耐えられない。ずいぶん若いころに寄ったとき、48度に入ってみなのだが、さすがに3分ほどでギブアップ。先に出るときにお湯を揺らし、怒られた覚えがある。

今回は、44度の湯船で5分入って、10~15分くらい休憩を繰り返していたところ、浴場の人が各湯船の温度を測りにきた。48度のところで、「48度よりあげないでねー」と。当然、湯船を囲むように座っている常連からはなぜだとの声が起きる。「熱くて入れないというクレームがくる」との答えに、「わかった、48度以上にしないようにする」と常連からの声。ただ、浴場の人がその場から離れると、「そんな文句言うやつは追い出してしまえ」という声があがる。

さて、ここで悪いのは、わがもの顔で勝手に暗黙のルール作ったり、温度を上げたりしている常連なのか。それに文句を言う一見の客なのか。
もちろん、常連が勝手をしていいものではない。同じ客だ。事前に48度のお湯があると知り、楽しみに来た人なら、熱すぎたり、どこにも書いていないルールがあったりしたのでは、文句もつけたくなる。
ただ、私が入っていた44度のお湯ですら、そこにそんなこと関係なしとばかりに、途中から入ったり出たりする奴がいると、やはり眉をしかめたくなる。
48度のまわりにいる常連のジジイ共でも、ちょっと声をかければ、今は待てとか入っていいだの教えてくれる。私が昔48度に挑戦したときも、半分からかわれながらも(田舎のジジイが若い者に話すときの普通の物言いだ)どれくらい休んだらいいとか、どうやって入ると耐えられるか(ゆっくり入り、体は動かさない、最初は肩まで浸からず、慣れてきたらゆっくり腕をいれていくなど)といったことを教えてくれる。相手は百戦錬磨だ。少々うっとうしい気もするが、48度などという途方もない温度の湯に入るときは、教えを乞うたほうがいい。
ほとんどの常連は砂時計を持ってきているから、ちょっと観察すれば、こういった暗黙のルールがあることはすぐにわかるハズだ。常連を擁護する気はさらさらないが、それを見極めもせずに自分の自由にならないからと、ギャァギャァ騒いではいけないのだと思う。

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