渋滞が起きる理由(反論から想像)
●テレビで紹介された渋滞の原因の説明の違和感
先週だったか「世界一受けたい授業」というテレビ番組を見ていたら、西成活裕という人が様々な渋滞について話していた。テレビ番組だから誇張している部分や、分かりやすさを優先し本質だが細かい部分には目をつぶっている(=演出)のだろうとは思うのだが、車の渋滞についてはどうにも納得がいかない。たぶん演出のせいなのだろうけど、なんとなく反証を試みることにする。
テレビでは、渋滞が発生するメカニズムとして、円形につくった環状道路で実際に車を走らせた例を紹介していたのた(車の台数は覚えていないが、100台には満たなかったと思う)。放っておくと、円形なのにも関わらず速く走る部分と遅く走る部分が発生する映像に続いて解消方法として1台が前の車が速く進んでも一定の速度で走る方法が流された。これをもとに、実際の道路でも10台に一台くらいの割合で、そういった一定の速度で走る車がいれば渋滞は解消されると話していた。実際に警視庁だかの協力を得て、公道でも実験を行うそうだ。
ただ、個人的な感想としては、たしかに円形の環状道路では実験通りなのだろうが、渋滞発生のメカニズムの解明というには説明不足すぎると思う。解消方法については、実際に渋滞の中、車を走らせたことがあるとは思えない考え方だ。
●実験とその考察の不備?
さて、そもそも渋滞とは何のことなのだろう。
困ったときのWipipediaなのだが、交通工学によると、
何らかの理由である地点の道路交通容量が低下し、その地点より前に自動車の待ち行列が形成され成長している部分のこと
ということらしい。
まぁそうなんだけど、なんとなくこれも違和感がある。
一般に渋滞といったら、渋滞情報で流れる基準
| 高速道路 | 都市高速 | 一般道 | |
| 渋滞 | 40km/h以下 | 20km/h以下 | 10km/h以下 |
| 混雑 | なし | 20~40km/h | 10~20km/h |
を言われたほうがすっきりすると思う。まぁ、定義が間違えていたから違和感を覚えたのだろうけど……それでは終ってしまうし、所詮は思索なのだから、一定の速度以下でしか走れない状態を渋滞と考え話を進めてみる。
さて、テレビで紹介されていた実験だが、まず車の台数を限定しなければならなかったから仕方なかったのだろうが、やはり現実とは大きく異なると思う。自分の走りが、自分の後ろの車だけでなく回り回って自分の前の車、しいては自分自身にまで影響を与えるというのは、実際の道路では(同じ道を走り続けることはないから)ありえない。自分のような走り方をする車が仮に前にいたら……ということかもしれないが、影響の度合いが違いすぎる。
速度に偏りが出るメカニズム(これはテレビでも説明していたと思う)については、
前の車より遅く走る
車間距離が空く
アクセル踏んでスピードアップ
速度を出しすぎ車間が詰まる
ブレーキを踏み速度を落とす
さらに後ろの車は、急に速度を落とされることになり、
前の車に合わせて減速する
これが連なり速度の低下をまねくことになる。
たしかにそうなのだが、この状況で渋滞が起きるということは、大前提として道路の長さに対して車が多すぎるように思える。これが円形の環状道路に4台しか入れなければ、4台が連なって場所によって速度が偏ることなどなかったはずだ。
さらに、その渋滞に対して一定の速度で走り続ければ渋滞は解消されるというが、それは単に進んだり止まったりという速度の偏りがなくなるだけで、速度が低下した状態が解消されるわけではない。円形の環状道路なら、自分の走りが自分に影響するから結果として速度が上がるだろうが、実際には前の遅い車たちより速い速度で走ることは不可能だ。仮にA地点から、時速10キロだったり40キロだったりと速度に偏りがありつつB地点まで走ったとする。その後ろを渋滞を解消するべく一定の速度で走る車は、結局前の車の速度の上回ることはできない。つまり、追い越さない限り前の車より短い時間でA地点からB地点まで到達することはできない。上の速度の点から渋滞とは言えない状態になったとしても、到着時間は変わらないのだから、それをもって渋滞を解消したとは言えないと思う。
●渋滞の原因(想像妄想)
前述のようにWikipediaによれば、ある一点で遅くなり(=ボトルネック)その行列が連なった状態らしいが、一般の感覚とはちょと違うように思う。ここでは渋滞というよりも、ある一定の区間で走行する車の速度が低下し車が列を作る原因を考えてみる。
渋滞の原因は
1、ある区間の道路に対して走行できる速度に上限がある
2、速度によって前の車との車間距離は変わり、また前の車との車間距離によって走行できる速度に上限がある
3、1と2の速度の上限は人によって異なるが、上限が遅い速度の車(人)に他の車は影響を受ける
の3点にあると、ほとんどの人は考えていると思っていた。
(だから、当たり前の話に終始するのだが……)
番号は逆転するが、3が分かりやすい。追い越し禁止の道で遅い車がいると、その後ろの車は先頭の車より(平均速度は)速くならないのは明らかだ。
1は、たとえば直線・急カーブと続く道があったとする。まず、直線部分だが、誰しもが上限なしに何キロでも無制限に出せるわけではない。車の性能だけでなく、人間の運転技術にも寄り、上限は存在する。誰しもが200km/hで走行できるわけはない。これは、空いている高速道路でも走行車線を120km/hを超えて走っている車ばかりということはまずないことからも分かる。現在の直線での上限はだいたい120km/hだと思っている(もちろん、ここでは法定速度は考えない)。では急カーブではどうだろうか。どんな道かにもよるし、進入速度にもよるし、やはり車や人にも寄るだろうが、カーブによってここはだいたい○○km/hが限界という速度があるだろう。
急カーブで速度が落ちた車が列をなしていれば、いくらそこまでの直線で速く走ってきてもその列に参加せざるを得ない。ボトルネック型の渋滞の完成だ。
しかし、仮に1台で走っていれば渋滞にはならないし、10台くらいでも渋滞とは言えないだろう。そこで問題になるが、2の車間と速度の限界が影響してくる。
仮に前の車と100km離れていたら、それはもう無関係だから自分の限界まで速度は出せる。しかし、これが20メートルだったらどうだろう?前の車が100km/hで走っていたとして、1メートルの車間で100km/h出せるだろうか? 逆に100km/hで走っている前の車に1メートルの車間でくっついていくことは、ほとんどの人には不可能だ。速度が速くなれば、それだけ車間は必要になる。これは運転テクニック(車の性能を含む)の面でも、運転者の気持ち(心理的プレッシャー?<用語として不正確か?>)の面、双方が影響すると思う。例えるなら車と車はバネでつながれて引っ張られているようなもので、速度が速くなるほど車間は伸び、逆に速度が遅ければ車間は短くなる。
実際の道路にあてはめてみれば、ある区間に車の台数が多いとすれば車間を詰めさるを得ないわけで、速度は低下していくことになる。さらに、台数が多くなってくると、3のような遅い車がさらなる速度低下に影響を及ぼす。片側2車線の道で十分に空いていれば、追い越し車線に遅い車がいても、走行車線から追い越せる。しかし、それなりに走行車線に車が走っていると、後ろから来た車は減速して走行車線から追い越さなければならないのだ。本来はもっと速く走れるだけの余裕があっても、一台の遅い車の影響で全体の上限速度は低下していく。
こういった速度が低下した区間があると、それの区間の手前で待つ車が列をなすことになり、さらに行列ができることになり、テレビの実験のように台数が多く速度の上限がかなり遅いような状況では、速度はさらに低下していくことになり、さらに速度は低下し渋滞は伸びることになる。
結局のところ渋滞を解消するには、
A、なるべく速度が遅くなる道路にしない
B、車の台数を制限する
という当たり前のことしかないように思う。
まぁ、「渋滞を解消する方法!」なんて言うと惹きは強いから、わざと狙ってやった(西成という人か番組スタッフのちらか)のだろうけど、なんだかなぁ。
補足
心理的ボトルネック現象のトンネルやカーブ、坂道が原因なんてのもその道路の「速度の上限」と考えると分かりやすいと思う。信号や料金所などは、それを含む道路を通過できる平均速度の上限と考える。車線規制なんかは2で、車が多くなることによる上限速度の低下と考えてみた(車線規制されたって車が少なければ渋滞にはならないから)。
補足
私は別に交通ジャーナリストでも、渋滞に詳しいわけでもありません。妄想想像ですのであしからず。
さらに補足
こんなの書いている暇があったら原稿書けってのはその通りなんだけど、仕事の息抜きに少しずつ書いたので許してください。

